ろく

路地の入り口に着いた。

だけど何かがおかしい。

路地の終わった先の道路が、入り口に立った時点で見えるのだ。

あの時は両側の壁がどこまでも続くように感じたのだが、あれは、見知らぬ土地で誰かの家を探している私の、不安が見せた幻だったのだろうか?
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