ろく

−ん?


足にふわふわとしたものが当たる。

サラサラとしているようなフカフカとしているような、そんな心地よい感触がストッキング越しに感じられた。


−猫、この中ですか?

「ん?」


おばさんはコタツの中に手を突っ込む。

そして、しばらくごそごそとしていたかと思うと、中からクリーム色の物体を引き摺りだした。


「どうしたんだろうね、今日はなかなか出てこなかったよ」


おばさんが私に掲げて見せてくれた、そのクリーム色の生き物は、私を見ると照れくさそうにプイっとそっぽを向いてしまった。


−ろく!
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