ママのスキャンダル!
10月に入り、あたしとデイブはシンディの家へお邪魔することに。

「まあ!!なんてかわいらしいの!!」

家に入ったとたんシンディのママの熱烈な歓迎を受け、あたしはその迫力に圧倒され思わず後ずさる。

「ちょっとママ!サラが怖がるからやめてよね!ママに抱きつかれたらサラが潰れちゃう!」

「いや、そんなことないけど・・・・」

確かに体格のいい人ではあるけれど・・・・・

とても明るく、ひまわりのような笑顔が魅力的な人だと思った。

「いい?今日は2人ともハロウィンの準備に来たんだからね!邪魔しないでよね!」

「わかってるわよお。サラ、後でおやつ持って行ってあげるからね」

「あ、ありがとう・・・・・」

「ほら、サラ早く!」

シンディに手を引かれ、シンディの部屋に連れて行かれる。

デイブは、クックッとおかしそうに笑っていた。

「すげえなあ、シンディのママ」

「ごめん、サラ。うちのママ、『ジェリー・ナイト』の大ファンなの。今日サラが来るって言ったら仕事まで休んじゃって・・・・・」

「ほんと?すごい嬉しい。きっとハリーも喜んでくれるよ」

「あー、うちの家族もすげえファンだから、サラ呼んだら喜ぶかなあ。でもなんか近所中にふれ回りそうでやだな」

そう言ってデイブがうんざりしたように溜め息をついたので、あたしとシンディは同時に噴出した。

「ふれ回るって、何よ」

「デイブの両親って、どんなタイプ?」

「親父はすげえミーハー。『ジェリー・ナイト』のDVDも全部持ってるし、家中ポスターが張ってあるよ。ママなんか呆れちゃって。あ、特にサラのファンなんだ。うち、兄弟みんな男だから。あんな娘がいたらよかったのにって言ってるよ。だから、サラがクラスメイトだってことはまだ言ってない。うるさいからさ」

「じゃあ、突然サラが行ったらびっくりするんじゃない?」

シンディがにやりと笑うと、デイブも何か思いついたように手を打った。

「あ!ハロウィン!」

「良いじゃん、面白そう!」

「え?何が?」

あたしは1人、わけがわからず2人の顔を見比べるばかりだった・・・・・。



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