最後の恋はアナタの隣で

12.集団心理

自分のクラスが近付くにつれて、足取りも心も少しずつ、鉛のように重くなっていった。


出来る事なら今すぐ帰りたい。


宮沢と喋ってる間は頭の中から完全に抜けていたその願望が、沸々と再浮上してくる。


教室の中が見える一歩手前でピタリと立ち止まると、クラスメート達の喋り声や笑い声が聞こえてきた。


リンと喧嘩した先週と何ら変わらない――いつも通りの賑やかな朝。


……ミサキもいつも通り、リンと笑い合ってるのかな。


あんな醜態を晒して、ミサキを傷付けるような事を言ってしまったくせに、無意識にそんな事を考えてしまう。


……駄目だ。
考えるな。

私はもう二度と、ミサキに関わらない方が良いんだから。
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