最後の恋はアナタの隣で

16.欲の塊

翌日。

目が覚めて枕元にある携帯を見ると、時刻は既に夕方だった。


春樹さんに後ろから抱き締められる体勢で寝ていた私は、春樹さんを起こさないようにゆっくりとその腕から抜け出し、すぐにお風呂場へと向かった。


スウェットを脱いでお風呂場の中に入ると、眠気を覚ます為に頭から熱いお湯をかぶり、


「……いてっ」

腕にピリッとした痛みを感じ、小さな声を漏らす。


痛みの発信源を見てみると、昨日の煙草の火傷で出来た水ぶくれが潰れていて、真っ赤な皮膚が顔を出していた。


「……はぁ……」

一気にテンションが下がってしまった私は、溜息を吐き出して自分のシャンプーに手を伸ばす。


だけど、途中でピタリとその手を止めると、隣に置いてあった春樹さんのシャンプーを手に取った。
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