最後の恋はアナタの隣で
「涼が売れたら俺……絶対に嫉妬する」

視線の先でそう呟いた春樹さんは、すぐに私から目を逸らしてふぅっと溜息を吐き出す。


春樹さんの口から“嫉妬”っていう言葉が出てきた事に驚いて、私はつい「何で?」と聞き返してしまった。


だけど、春樹さんは目を逸らしたまま何も答えてくれない。


それどころか、私を抱き締めてる腕を離そうとまでしてて、


「ねぇ、何で嫉妬するの?」

私は春樹さんの背中に腕を回してガッシリと抱きつき、再度同じ質問を投げ掛けた。


「……」

「春樹さん」

「……」

「ねぇ」

「……」

「何で? 何で嫉妬するの?」

「……」

「ねぇってば」

「……」

「私けっこうしつこいよ?」

「……」
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