最後の恋はアナタの隣で

20.嵐の前の静けさ

左手の薬指に光る指輪を見る度、何とも言えない幸福感で胸の中が満たされた。


自分がこんな風に誰かを好きになるなんて思ってなかったし、春樹さんと付き合った当初は、ここまで依存するなんて想像もしてなかった。


春樹さんの腕に抱かれながら、キスをして眠りにつき。

目が覚めると一番に、優しいキスが降ってくる。


そして、左手を見ればそこにはいつでも“愛情の証”が輝いていて、湧きあがる春樹さんへの愛しさで顔が緩んでしまう。


“三ヶ月間、何もしない”――そう約束していたのがまるで嘘のような毎日。


キスがこんなにも気持ちの良い物なら、もっと早くに経験したかったとさえ思える。


だからきっと、これは反動――なんだろう。
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