十和の時
急いで電車に乗り、中学と高校の間にある体育館へ向かう。
この体育館は合同体育館であり、中学生も高校生も使う体育館だ。
体育館の入り口に座り込む。ドアは閉められていた。
静かにドアを開け、中をのぞいて見る。
壇上で、校長先生が挨拶をしていた。
その下すぐそばに生徒会が並んで立っていた。
もちろんイツキもいた。今日は少し寝癖がついている。
かわいいなぁ・・と見ていたが、やっぱり遅刻してからの体育館は入れなかった。
十和は座り込んだまま、中の話を聞いていた。
これ以上のぞいているのは危険だと、ドアは閉めた。
まだ終わらないのか、ともう一度覗き込んだ。
「キャー!!あきまさー!!」
というのがざわめく中から聞こえた。

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