十和の時
「おっはよー!!」
泣いたために目が赤くなっていたのをひくまで図書館で待ち、
教室に戻ってきた。
イツキがなぜあそこにいたかも分からないし、
何時から一緒に回るのかも分からない。
いつも時間は決めてくれずに、イツキの都合で行動する。
デートでもそうだ。
結局は待つしかなさそう。
「クマはすごいけど元気いいね~。何かあった?」
「ん?別に?」
イツキの行動で浮き沈みの激しい十和。
イツキがいなくなったときのことを考えると恐怖だ。
「ねぇねぇ、今日だよねぇ?」
後ろのほうで女の子たちが騒いでいる。
「なになに?何の話?」
機嫌のいい十和はその話にまざってみる。
「あの伝説だよー!!」
「伝説?」
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