バラバラ死体とシャルウィーダンス
恨みごと



「何ですって?」


「この女性は石塚さおりというらしい。近所では厳しい女性で有名で、近所の人が燃えるゴミを捨てる日を間違えると、」


「そんなのを訊いてるんじゃないです。なんで死んだって、教えてくれなかったんですか?」


「この人が死んだのは、お前が〓〓〓〓〓と佐和田の所へ行っていた時だ」


「なんでそんなに前に死んだのに言ってくれなかったんですか!」







「確信的な証拠が無かったからだ」



フジハラさんは、パソコンから目を離さないまま言った。


私は、その姿に怒りを覚えた。

無駄に整った顔をぶん殴りたかった。


コイツの所為で、井村が大怪我したのか?

コイツが、証拠にこだわって私達に教えなかった所為で。



「どういう、事ですか」



私は、殴りたい衝動を抑えながら言った。


フジハラさんは、呆れたとでも云うかの様に溜め息を吐いた。



「お前、頭使え」


「煩いっすよ」


「あのさ、目の前の奴が犯人だと解って捕まえても、証拠が無かったら直ぐに釈放だ。わかるか?」


「はい」


「石塚さおりは、昔、養子を迎えて居るんだ」





< 30 / 45 >

この作品をシェア

pagetop