花が咲く頃にいた君と

花が咲く頃にいた君と

四年が経ちました。



町の景色も、環境も全てが少しずつ変わって


あたしは社会人になりました。



仕事先は小さな電気メーカーの、事務員。



相変わらず、平凡な日常を送っています。


伊吹と横峯は地元の大学へ

日高は二人と同じ大学の短大へ行き、今はフリーター。

明実は美容の専門学校に通い、今は東京の美容室で働いてる。

保泉は国立の女子大へ行き、あたしたちの中では唯一、エリート街道を突っ走ってる。


あの頃は、余り者の寄せ集めと思っていたけど、今では何かある度に集まっている。




東向日と柊、小夜がどうなったのかは知らない。


多分、伊吹と横峯に聞けば分かるのだろうけど、知りたいとは思わなかった。


高校を卒業して四年、また春がやってきた。




住んでる家の近くには、桜並木があって

最近ではカメラを持って出掛けることが多くなった。




少しでも思い出を残せる様に、あたしは首から一眼レフのカメラを下げる。



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