億万色Love




「あれ?凜ちゃん?」


………?

足音が止まり、思わず目をつむった私


そして聞こえてきた声に、目を開けると


「……お…じさん?」


外出先から帰ってきたのか、大きな荷物を持ったおじさんが、私たちの目の前に立っていた


香留も私の後ろから顔を覗かせ、おじさんだと気づくと慌てて出てきた


「どうしたんだい?こんなところで二人くっついて」

「いや……その」

「わたしに何か用件?ならちょうどいい。今さっき外出先で大福を貰ったんだ、中に入って一緒に食べよう」

「へ?あ、あの…―」

「なぁに遠慮はいらんよ。所詮貰いものだし、凜ちゃんは家族みたいなもんなんだから♪さぁさぁ休憩しよう。そこの…たしか凜ちゃんの親友だったね、君も一緒にどうぞ」

「あ…はぁ」


おじさん……

なんて脳天気なの…


一気に緊張感がなくなった私と香留は、おじさんの笑顔が輝いて見えた


断る理由のない私たちは、そのまま理事長室で大福をご馳走になり、もちろん最初からおじさんに用件なんてなかった私は適当な会話でその場を凌いだ



―――――




「びっくりしたね…」

「うん」



理事長室をあとにした二人は、体力どころか気力さえ残ってなかった



あの時はほんとに



まさか……?!


って、心臓が止まるかと思ったんだから…!





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