≡イコール 〜霊能力者へ 『霊視1』より~
ステージに ようやく一組のバンドが登場した

長谷川の カノジョが リーダー兼ボーカルを務める

『Hot Snow Bell』だ


メンバーそれぞれが 配置につく

ドラムス ベース ギター キーボード・・・


「あれ?長谷川!キーボード メンバー代わってない?」


前回の ライブの時『打ち上げ』があり

オレはだいたいのメンバーと話しをしたので

みんなの顔を 覚えていた


「あぁ りっちゃんだろ? あの子 イギリスに留学したんだって

突然だよ!前もって言ってくれてりゃいいのにさ!

アスカたちも新しいメンバー探すの大変だったらしいぜ!

でも そこはアスカ!流石は『ホスベル』のリーダーだよなぁ・・・

同じ職場の子に キーボード出来る人いないか 聞きまくってさぁ

居たんだよ!

あの子! 樹花(じゅか)ちゃん アスカの2コ下だって

こんな 急で よく引き受けてくれたよぉ

まぁ アスカ曰く 天然入ってるらしいけど・・・

そんなんは どうでもいい! うん!

あ~ みんなの 息が合いますように~

がんばれ~ アスカ~」


長谷川は 懺悔するキリスト教徒のように

手を組んで拝んでいた 


『へぇ~ 樹花ちゃんか・・・』



これが オレと樹花の 出会いのきっかけだった


ライブ終了後 オレたちは 『Hot Snow Bell』

長谷川命名の通称『ホスベル』の打ち上げに参加した


仕切っていたのは もちろん長谷川だ


打ち上げ会場の カラオケパブで

たまたま みんながバラバラに座った 流れで

オレは 樹花の 隣に座ることになった


「じゃっ ホスベルの皆さん!

今日もお疲れサマでしたッ!今日も 感動しました!

ありがとうっ! カンパーイ!」
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