≡イコール 〜霊能力者へ 『霊視1』より~
「そっか ・・元々 結構前向きな性格でしょ?!」


「はい」


そう言って笑うと 樹花は左の頬にエクボができていた


「今は 新しい夢を探しているところです!」


『新しい夢・・・』


ハルも もう新しい夢を見つけ

それを実現出来ているのだろうか・・・


「あの・・・」


樹花は 今度は少し上目遣いでオレを見ていた


「ん?」


「お名前・・・訊いていませんでした・・・

その・・・なんて お呼びしたらいいですか?」


「あっ そうか オレ 奥村・・・奥村 ヒカル」


「あっ そうですか 奥村さんですか・・・

えっと・・ わたしは 松永・・・」


「樹花ちゃんでしょ」


樹花は また目をくるくるさせて言った


「えっ?! なんでご存知なんですか?」


「さっき 長谷川から聞いてたんだ

新しいキーボードの子 だれ?って」


「あぁ そうなんですね・・・長谷川さんに・・・」


樹花は照れたように笑った


「ところで・・・こんな事・・・

初めて会った人に話すと

とても ヘンなヒトって思われると

思うんですけど・・・」


樹花は 少し迷い気味に 言葉尻をにごした


「なに? たいていの事は 大丈夫だよ

オレも ガキじゃないし」


いや 十分ガキかも・・・


「じゃあ 言いますね・・・

奥村さんって・・・霊感強くないですか?」
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