≡イコール 〜霊能力者へ 『霊視1』より~
「でも 先生… テレビとかでやってる

除霊 とか 浄霊って なんか もっと

こう… 『キエーイッ』とか大きな声を

出したり 『臨・兵・闘・者…』って

九字切りっていうんですか?

…あんなの しないんですか?」


日村 令子は オレの話しを一通り

黙って聞いた後 こう言った


「テレビ… あれは『誰もが』

見ることの出来る媒体 そして

『見えなければ』無意味な媒体でもあるの

誰でもが『見えないモノ』を『見せよう』

とするには 実在するモノに

『パフォーマンス』をさせなければ

『番組』として『成り立たない』ものよ」


「…って事は テレビのは 全部

『やらせ』ってコトですか?」


日村 令子は グレーから薄い水色に

変わってきた 空を見上げた


「全部がそうだとは 言っていないわ

ただね 一口に『霊能力者』といっても

皆 それぞれ 持つ能力は異なるの

例えば… 大きく分けて 2つ

『人に尽くす能力者』と

『霊に尽くす能力者』 この2つよ」


オレは 時計を見た

『5:35am』

6時が起床時間だ


日村 令子は オレの心を見抜くかのように

黙って 山道を登りだした

オレも 日村 令子の後について

歩き出した

日村 令子は 歩きながら続きを話してくれた



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