≡イコール 〜霊能力者へ 『霊視1』より~
「『人に尽くす能力者』とは それこそ

よく テレビに出るような人たちの事を

指すわ

その人を見ただけで 病気が分かったり

性格や家族構成 合う持ち物や

合わない場所

逆に 持ち物から 本人の居場所を

特定することの出来る能力を

持つ人もいる

これだけで 十分 パフォーマンス性は

あるでしょう?」


「はい…まぁ…

オレも テレビでよく見て

『スゲェー』って 思います

…で でも 正直…

日村 先生も 『スゴイ!』って

思いました…

…『全部使っていい』って あれ…

昨日の 水筒の麦茶の事ですよね!」


日村 令子は すぐには応えず

しばらく 黙って歩いた

オレは 答えてくれない理由が分からず

もう一度 尋ねた


「日村先生も 『人に尽くす能力者』なんですか?」


日村 令子は 横目でチラッとオレを見た


「いいえ 私は『霊に尽くす』方よ」

と 言った


『へえ~』 と思いながらも イマイチ違いが

分からなかった

すると 日村 令子が続けてこう言った


「『霊に尽くす者』はね 

『人間の悩み』を基本に『考えない』の

『霊がどうしてほしいのか』ということを

基本に考えるから 『霊の世界』と『人間の世界』

とで 折り合いのつかない問題とか

それを どう『霊』に伝えたら理解してもらえるか

とか… 結構『面倒』なのよ

いわば『交渉人』みたいなモノね」
< 64 / 307 >

この作品をシェア

pagetop