天狗の嫁入り

｢コホン…｣
甘い空気を破ったのは他でもない、相模。
｢まずは、分かるようにご説明願いたいのですが?そのあとに、続きを。｣
｢相模…お前、すげぇ根性してるな…｣
｢慧様がご当主でございますので…｣
｢どう言う意味だよ。｣
｢そのままの。｣
ムッとする慧に涼しい顔の相模。
なんだか、兄弟喧嘩をみているようで、そばで見ていた桜は笑みをこぼしてしまった。

｢何だか、慧さんと相模さんって兄弟みたいですね。｣
｢いや…ってか、｣
首の後ろをポリポリ掻きながら言葉を濁らす慧の鳩尾に燐の綺麗な肘打ちが入った。

｢いっ…｣
｢あんたって子はっ!!何も話してないの!?六道達ののことは話したの!?｣
｢いや、まだ…｣
｢まったくっ!!暁もビシっと言ってやんなさい!｣
｢暁?｣
｢あらやだ、桜ちゃん何も聞かされてないのね…まったく、うちの男共は…｣
わざとらしくため息を付きながら燐は桜に話しはじめた。



まず、相模というのは六道天狗とよばれる当主付きの臣下の中で一番偉い役職名みたいなのもで、慧の実の弟であり本当の名前は暁と言うらしい。

そして、気になる燐と蓮朱の関係…