あなたじゃなきゃ







私は何かを決意したように携帯を手にした






ピッ



プルルッ プルルッ



ガチャ



「……もしもし」





「裕亮?」




「あぁ」




「………私、




もう裕亮に好かれてる自信ないんだ…





別れたいなら言って






別れるよ」






そう言って


電源ボタンを押した



裕亮の「えっ」っていう声が聞こえた気もしたけど



携帯の電源も落とした




そのまま寝た


もちろん枕はびしょ濡れで





次の日起きたら、顔がひどいことになっていたから



いや、裕亮に会いたくないから


行くのをやめた






多分、あんなこと言っときながら



別れるなんて言葉聞きたくないんだよ



言わないで欲しい



もっかいやり直そうって



言って欲しい。







でも このままじゃやり直しなんか出来ないって思ったから



私が踏み出したの






私と別れることが裕亮のためになるのなら、いいよ。




どうせ 私たち、



別れる運命だったんでしょう?神様。






………いやだ


涙が止まらない…


ティッシュじゃおいつかないくらいの大洪水だよ…






目の前がぼやける






今日は、文化祭の前日なんだなぁ






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