セピア
 此処に来られるのは、多分普通の人間では来られないような気がする。
つまりは特殊な脳力を持つ者達だけしか来られないのだとしたならばその特殊な脳力とはいったい何なのか?と花梨の頭の中で色々な解きがたい事柄が相反して次々と交錯し合い葛藤を始めていた。

 花梨の不安な心を払拭(ふっしょく)するかのように李は再び言葉を発っした。
「此処はスピリチァルな世界なの。ちなみにスピリチァルって言う言葉の意味を花梨ちゃんは知っているかな?」
 と、そう李に聞かれて

「はい。スピリチァルは今、巷(ちまた)で盛んなブームになっているから知っています。魂と魂との触れ合いと言うか、あるいは魂と魂とのなんかこう言い知れない崇高(すうこう)な次元での結びつきみたいな……そんな感じでしょう?」
 と花梨は答えた。

「そうよ。その通りよ。私はね主人の泰造さんをとっても愛していたの。私と泰造さんが結ばれてそしてあなたのお母さんの有莉禾が生まれた。
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