待っていたの
「ええ…お互いに」

お互いに…明らかに悪意のある言葉だったが、栄達は受け流す。


「ほんとにね…?」

お互いを嫌いになっているというか、彩は嫌悪している。


「そこまでにしておけ、周りが困っているだろうが…」

呆れた様に言うが、彩の肩を抱く。


「申し訳ありません」

少しだけしな垂れかかる様に陛下の方に、傾く。


「とりあえず、吟味してみるか…」

ぎゅっと肩を抱き、耳元で話す。
その言葉が、会議終了の合図だった。



陛下の寝室に下がると、すぐに距離をとる彩。


その行動をみて、眉を寄せる白夜。


「猫かぶりか…彩」

白夜が触ると緊張した、彩の小さな身体に、期待した自分が馬鹿らしく感じるような気分だった。


「違います、そちらの方がいいでしょう」

「仲いいほうが…な」

「ええ、今から自由でいいんですよね」

「ああ…あまり馬鹿な事は考えるなよ?」


その言葉を聞き、自分の部屋へさがる彩。
シャワーを浴び、着替えて外へ出る。



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