待っていたの
いつものように、牢屋へ行く。

その牢屋の裏の余った土地を、畑にしようとせっせと耕す、そうしたら…牢屋の管理を任されている人が、頭を下げ軽度の牢人から人を貸す。


そして執事達と集めた、野菜の種をひとつひとつ埋める。


料理長も呆れながら、咲く時期と簡単に増やせる食べ物を彩に教えた。


せっせと水をやるが…牢屋で使われる水が汚い、これでは細菌が繁殖し放題だろう、浄化できる施設もあるみたいだが、身分が高い者に限られるみたいだ。


しかも彩の飲み水は、陛下が魔法を使っているので、もっとも安全だという。


そう考えると大恩があるはずだ。
頭では常識が違う、恩があると理解していても、どうしても許せない。


あんな…最低な事……、そうする様に仕向けた他の人も。


止めなかった人も…大嫌い。


「いま強さが欲しい

 たったひとつの強さが
 守れる強さが欲しい

 救うなんて大それた事

 考えない

 側にいたいのよ」



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