待っていたの

その夜、初めて白夜が隣の部屋にいない状況を見て、翠翠は不安げに大きな瞳を揺らした。


「月妃さま……」

「ん?ああ、今日は陛下帰ってこないから、翠翠も早く寝てね?」

「……はい」

悲しそうに目を伏せた翠翠は、なにか誤解しているだろうが、彩はそのままにしておく事にする。


礼をして、出ていった。

「楽すぎるっ!」

一人は楽だ、ずっと誰かが側にいる環境だった。



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