待っていたの
「大事にしてもまだ?足りない」

「白夜は大事にしてるけど、あのお姫さまには伝わらないんじゃない?」

「ああ……」

「だから、大事にしなきゃね?」

大事にとぶつぶつと呟きながら何事か、考える白夜に栄達は暗い宵のような笑みを見せた。


「じゃあ、帰るね?」

「ああ」

栄達の方を見ずに軽く手を挙げて、下げた手は顎の下にそえられた。


「大事に……か」

ため息をつき、背もたれにもたれて髪をかきあげる。


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