待っていたの
「彩は欲しいよ…わかんないけど、彩が欲しい」

どんな事があっても、欲しいと思う。

「分からなくもねーけど」

頼ってくる彩とか、いちいちお礼を言う彩とか、自分にだけだと優越感を持つ。


外では強がっていればいるほど。


「彩、手紙書けよ?」

紙と羽根ペンを持っていく淑鵬を見る。


彩には味方が必要だ。


「あ、ありがとう」

さらさらと紙に書く文字は上手くて、彩は日本語で書くが、次々に翻訳されている。


龍国国王様へ

朝は大変失礼な事を申し上げたようです、気づきませんで大変失礼をしたようです。
申し訳ありません。

わたくしは、本日仲良くなりました同級生のお宅に泊まります、朝は他のメイドさんにご迷惑をおかけ致しますが、何とぞご容赦下さい。

        法宮 彩


「許可を貰うのに、決定事項になってるぞ姫さん?」

「私が泊まるのに陛下の許可がいるの?」



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