待っていたの
「これは、居候してるから手紙を出すだけだから、いいですか?とわざわざ許可を貰う必要なんてないよね?」

自分は数ヶ月後、陛下の妻となるのに他の男の家に泊まるなど、普通の男は嫌だろう。


男とは書いてないし、大丈夫だと思った彩。

「彩、これ見て」

ガラスとガラスがくっついた、アンティーク調のガラスの綺麗な模様。


「綺麗…、ペンダント?」

「これ、俺が作ったんだ、彩にやる」

「いいの…?」

太陽をデザイン的に形どったもの、青の綺麗なガラス。


それを彩の首にかけてやる、そうすると嬉しそうに笑った。


「似合う、すげぇ似合う!」

「ありがとう」

大事そうに、キュッと手で包みこむ。


それから、夜がふけるまで三人で話し込む。


ずっと前から友達みたいな感覚、彩の世界でこのふたりと出会ってたら、何か変わったであろう。


「すきだよ、ふたりとも」

そう言って笑った。
ふたりの男はガクリと俯いたが、それが何故なのかは知らない。



.
< 51 / 243 >

この作品をシェア

pagetop