待っていたの

王宮に白鳩の足に結ばれた手紙が届き、至急陛下に届けられた。


「彩…から?」

「なに?姫からなの?」

不審に思う、栄達が覗き込む。


手紙を広げ読むと


「あ…!姫もう浮気…?」

「は…?泊まるだと、誰の家だ?」

早速調べさせる。


「陛下がのんびりしてるから、今頃姫襲われてるかもねー」

どこか事態を楽しむ声。


「男とは書いてない」

「でも女とも書いてないよ?」

「つ…栄達、彩は俺が嫌いなんだろうか?」

「自分で考えなさい」

そう言い突き放す。


「女の子は、言わないと何も伝わらないよ?」

「言わないと…?」


カタカタと足を揺らす、王が貧乏揺すりするなど、本来はご法度なのであろうが。
そんな白夜に、栄達は遅い春到来だとほくそ笑む。


27歳の男しかも、一国の王が22歳の女の子に振り回されてる。


この状況が面白い。


「その顔を有効的に使う事だよね、白夜?」

「顔…?」

フムと頷き、考え始めた。他の国の色の方がいいと言われ、服を薄い色に変えられたのはかなり効いたみたいだ。



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