姫
私は物凄い勢いで飛び起きた。
呼吸が乱れていた。
辺りを見回して気付く。
さっきのは夢だった
と。
ゆっくりと冷静さを取り戻した私はため息をついた。
さっきまで見ていた夢は、実は今日が初めてではないからだ。
ここ最近、毎日同じ夢を見ていた。
毎日同じ、あの薄暗い場所から始まる。
しかもその夢は、日に日に長くなっていくのだった。
昨日までの夢は姫のことなんて少しも言ってなかったと言うのに。
メニュー