四,お酒
「アロナイヤ……アロナイヤ!!」


あれから30分程経ち、私はアロナイヤを台所から移動させることも出来ずにいた。

こうやって声を掛けて、目を覚ましてくれることを願っていた。


でもさすがに、どんなに呼び掛けても、揺すっても30分以上目を覚まさないと、死んでしまったのではないかと、嫌な方へ考え始めてしまう。



大蒜がどれほど吸血鬼にとって嫌なものなのか、わからないからだ。



もしかしたら、物凄く危険だという可能性もなくはない。






「んん……」


アロナイヤがゆっくりと目を開く。


「良かった。気が付いたのね」



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