ブルービースト

「……で、どうしたんですか?」



落ち着いたと思ったら机に突っ伏したブロードにクリスは穏やかに訊く。


その間ユノはひたすら無視を突き通していた。




「…それがさぁ。ユノがさぁ。鬼なんだよ」


「誰がですか?」


「………仮名Yさん」



隣から聞こえた女の声にブロードは言い直した。



「そうなんですか~。それは大変ですね」


「…うん、そうなんだけどもうちょい気にしてほしかったな」



すぐに興味なさげに食べ物にありついたクリスにブロードは寂しげな声を出したとか。





「ブロードさんが仕事したら私も怒らないですよ」


「してるよ仕事。超ヤル気っスよ」


「嘘つくんですか?」


「……ちょっとヤル気っスよ」





そんな二人の様子をシエラがまじまじと見ていた。




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