ブルービースト

-Ⅲ-


「…遅い」


 ――…ででんっ!


と、効果音がつきそうな雰囲気でフロアリビングのソファーに座るのは、お馴染みユノ=リー中将補佐。


腕を組み顔をしかめるそれは、さながら結婚の挨拶を彼氏としに来る娘を待つ頑固親父だ。




「遅い遅い遅い遅い…」


ユノは苛立っていた。


何てったって娘が、否中将が何時間も出掛けたまま戻って来ないのだから。



不機嫌度MAXなユノにビビった他の隊員たちは、大人しくブロードの執務室でポーカーをしていた。


…何故にポーカー。

そして彼らはいつ仕事をするのか。


それは第一部隊の七不思議の一つだったり。




「そんな七不思議いりません。全く…あんの女男…。帰って来たら容赦しないんだから」


懐から銃を出して磨き出したユノに、食堂から覗いていたランおばさんは大いに恐縮した。



恐ろしい。


ブロードどんまい。





そしてそんなピリピリした空気の中、超タイミング悪く帰ってきた者がいた。



「たっだいま~ん」


「死ねこのクソ男がぁあ!」


「っきゃあああああああ!?」





< 108 / 309 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop