ブルービースト

フロアリビングに入ると同時に怒鳴ったユノに銃を向けられたのはリシア。


彼女は叫びに叫んで慌ててしゃがんだ。



さっきまでリシアの頭があった場所を銃弾が光の速さで走り、結果入り口の自動ドアを思いっきり割る。



「ひぃい…!」


「あ、リシアちゃんだったの」


「えええええバイオレンス!」


ごめんね、ととてつもなく軽く謝ったユノにリシアは叫ばずにはいられなかったとか。



もう少しでこの世とさようならしてあの世とこんにちはするところだったぞ。




「な、なな何を怒ってるんですかぁ?」


「何ってもちろんあのクソ男」


「クソ男…?ブロードさんですかぁ??」


「やめてその名前言わないで乱射したくなるの」


「すいません言いませんだからやめてユノさまあああああ!」



銃を上げた中将補佐に絶叫し、リシアはソファーの影に隠れた。


「嘘うそ、冗談」とか言ってるけどこのバイオレンスな女性ならそれをしかねない。



しかしユノは銃を懐にしまい、それからリシアに小さく微笑んだ。




「おかえりなさい、リシアちゃん」





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