ブルービースト
「へ?」


「あっ…」


ブロードの表情が驚きに変わった。


ハッとしたユノは慌てて手を離す。


そしてそんないきなりの彼女の行動にきょとんとしていた中将は、焦る真っ赤な補佐を見てふと目を細めた。


今度は自分がゆっくり彼女に手を伸ばす。



「えっ…」


思わずそう声を漏らすと同時に、頭にぽんぽんと軽い衝撃。


ユノの頭を撫でたブロードは、呆然とする彼女にまた笑みを向ける。



「はは、変なユノ」


「なっ…」


笑いながら言われた言葉に、ユノは更に赤くなった。



(さ、さっき…)


──…手が頬に伸びてくる、そう勘違いした自分が恥ずかしい。



「わんっ!」


「ぎゃ!痛ぃいっポチ!?」



ブロードがユノを見下ろし笑っていると、楽しそうな空気に混ぜてほしかったのかポチが激突してきた。


情けない声をあげたブロードは、顔にへばりつく犬を退かす。



「ポチ、何だよー」


「わんっっ」


「お前また邪魔して…、」



犬と言い合いをはじめたブロード。


そんな彼を見つめ、ユノは深く溜め息をついた。





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