ブルービースト

-Ⅰ-



ユノが母ユイリと再会して、早一ヶ月。


そろそろ初夏に突入するこの季節、第一部隊ではある病気が大流行していた。





「ゆ~のぉ~」


ダラダラとソファーに寝そべるのは第一部隊隊長ブロードさま。


暑いのか長い髪をいつもより高い位置でポニーテールにした彼は、自分の補佐の名を呼ぶとクッションに顔を埋めくてりと倒れた。


が、間髪入れず銃弾が彼を掠める。


見事に髪を結っていたゴムだけが撃たれたらしく、蒼い髪はさらりと隊長さまの背中に流れ落ちた。




「はわわわわわわわわわ」


「奇声あげる暇があるなら仕事してください」


「ひいい!部屋で寝ときますっ」


「待たんかいコラぁ!」



火に油を注ぐ自滅発言。


何故にいつもそう自分の補佐の神経を逆撫でするようなことを言うのかがわからない。


アイツのことだからきっとユノちゃんの反応を楽しんでるんだな、そう結論付けたレイツはブロードの隣のソファーにごろりと寝転がった。




が、やっぱり激怒した彼女に叩き落とされる。





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