ラスト プリンス

 とくんとくん、と早くなる心臓を余所に、心の奥、隅っこには何とも言えない不安がある。

 その不安が何からくるもので、何に対して不安なのか、まったく分からなくて。

 でも、それが怖くて怖くてたまらないの。

 これから耕太に言われることで、その後あたしが耕太を嫌いになるわけ、なれるわけないってことくらいは分かる。

 ということは、だ。

 耕太についての不安よりも、自分を知られた時の不安の方が大きいということ。

 最近までとっかえひっかえで好きでもない男と付き合って、それから肌を重ね合うまでに想いを作り上げてた軽い女と知られるのが、怖い。

 いくら『ちゃんと好きになってた』って言ったって、それは形だけだって気付いたんだもの。

 そう、耕太の所為で気付いちゃったんだもん。

 耕太を好きって思えば思うほど、今までの“好き”は何だったんだろうって……。

 そう思えるようになったのに、今までのことがつけとして回ってきたんだわ。

 きっと、どんなに言い訳をしてもそれは理屈にしかならない。

 寂しかったからって男と寝てもいいなんて、常識はずれだってことくらい――

 ――バンッ!

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