ラスト プリンス

「あ、君の名前聞いてなかったね」

「七瀬梨海です」

「七瀬さんか。よろしくね」

「付いてこい」

「こーたー。お客さんでしょ」

 ギッと眼鏡の奥の瞳が鋭く光り、村上さんを睨み付ける。

 相変わらず村上さんはニコニコと笑みを浮かべたままで、そんな村上さんを見て諦めたのか藤野耕太はキュっとネクタイを直す。

 ネクタイを直した藤野耕太は、ふわりと目を細め笑みを浮かべた。

 えっ?!!

 ちょちょちょっ!!

 営業スマイルだって分かってるけど、その笑顔は反則っですって!

「梨海さん、でしたね?さあ、どうぞ」

 くっ口調も違うんですけどーっ。

 しかも、村上さんより紳士的に見えてしまうのはあたしの目がおかしいからなのかな?!

 っていうか、さっきとのギャップにキュンってしちゃってるあたしって……。

「梨海さん?…………返事」

「っ?!……はい」

 うっはっ!

 この人裏表が激しいんですけどっ。

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