会いたい夏

悲しみ

「どうしたの?」
と聞く間もなかった…

彼は私にキスをして…
そのまま部屋へと戻っていったからだ…


私は呆然と立ち尽くしていた

次の日、何もなかったかのように、いつもの元気なみつくんがそこにはいた

『おはよう』

「おはよう」

『昨日は、ごめん』

「みつくんらしくなかったね」

『…』

「…」


『今日、自由行動じゃん?どこいく?』

「嵐山の方は?」

『だよな。嵐山の方とか行ってみよう』

「うん!」

私は、二人で買物している間もなぜだか昨日のことが頭から離れなかった

「みつくん、何か私に話したいことがあるんじゃない?」

『何それ?』

「ごまかさないで」

『…』

『…』

『俺、腰を痛めて…
修学旅行の前の日に病院行ったんだ。』


「うん…」

『重いヘルニアだって。手術が必要で…サッカー諦めるようにって』

『手術後も経過によっては車椅子での生活になるって…』

「…」

『俺なんかとは、わかれたほうがいいよ』



「はぁ?何いってんの?ふざけないでよ!どっちから告白したと思ってんの!?」

『…』

「そんなんで、私が別れようって言うと思う?もういい!別行動しよ」


なんだか私は無性に腹がたった。私への思いはそんなもんなのか…
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