【続】俺様王子と秘密の時間
美結ちゃんのことを話したんだ。
千秋に近づかないでって言われたこと、すごい豹変ぶりに驚いたこと、千秋が次のターゲットだと宣言されたこと。
あたしよりずっと千秋のことを知ってるって言われたこともだ。
言葉の真意はわからないけど。
「要するに、王子を自分のモノにしたいのね?あの美結って子は」
はーちゃんの言う通りだと思う。
千秋がターゲットだって言っていた美結ちゃんの目は本気だった。
ギラリと光るあの瞳は今にも狙い撃ちしそうなハンターみたいだったもん。
「えぇー、なんで美結ちゃんまで王子なんだよ!あぁ、オレを彼氏にしてくんないかなぁ♪」
「コウうるさい。あたしはアンタを彼氏にするくらいならデパートにあるマネキンを彼氏にするわ」
「葉月、酷い……」
はーちゃんの冗談も笑えないくらい、今のあたしの気分は雨模様みたいにどんよりと沈んでいた。