【続】俺様王子と秘密の時間
「僕がココに居るってよくわかったね?先輩」
「あ、うん」
いや、わかったっていうか……、涼くんって常に何かの記事にベタリと張り付いてそうなんだもん。
記事と同化してもオカシクない。
「とりあえず座ったら?」
促され向かいの椅子に腰かける。
涼くんはデスクの上にあるファイルに手を伸ばし一枚の紙を取り出した。
“小悪魔データ”と書いてある。
美結ちゃんのことだろう。
「先輩が知りたがってる“カップルクラッシャー”についてなら、僕わかるよ?」
「ほ…ほんと?」
「うん。先輩に言われてからは、恋愛ネタを書くのはやめたけど、有名人の記事は書いてるんだ」
涼くんはデータに目を通したあとマメ柴みたいに可愛い顔で、ニコッと笑ってみせた。
完全にやめたわけでもないのに、そんな笑顔で言われたら反応に困るよ。
「さてと、本題に入ろうか」