【続】俺様王子と秘密の時間


迫ってるなんて……!


千秋は睫毛にかかる前髪の隙間からあたしを見据えると口元で「フッ」と笑った。



「お前、来んのおせぇよ」


千秋は肘をたてて頭を乗せると、あたしの顔をじっと見つめる。


なんてヤツなのぉおお。

言ってやりたかったけど。

この状況、この距離、オマケに熱を出した原因があたしなわけだから何も言えるハズがなかった。



「ごめんなさい……」


もう火でも噴きそうなくらい恥ずかしくなって、あたしは顔を隠すように両手で頬を抑えた。


だけどやっぱり謝らなきゃって思って、目線を逸らして言う。



「もうちょっと可愛く言ったら許してやる」


はぁああああ……?

なに言ってんのよ。


千秋の身体はすごく熱くて、なんだか余計に恥ずかしい気持ちになる。


だからあたしはそんな冗談を言う千秋を無視して、急いでベッドから出ようとした。

 

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