【続】俺様王子と秘密の時間
イタズラな瞳を向けてくる千秋。
「今すぐ、“オレが欲しい”って言ってごらん?」
あたしの耳をペロリと舐めて囁いた。
甘い言葉に魅せられて何も言えなくなってしまったあたしは、目を泳がせるしかなかった。
そんなあたしを見た千秋は含み笑いをするとあたしの前髪を掻き分けて、ちゅっ……とキスをした。
今度はおでこが焼けそうだよ。
想いが募れば募る程、その分、不安も降り積もるのかもしれない。
でも今はとびきり甘い、この時間に浸っていたい。
この先、もう何も起こりませんようにと、あたしは切に願う。
千秋のブラウンの瞳に見つめられて、もう一度触れるようなキスを交わした。
あたしは睫毛を伏せたまま、こみあげてくる涙を飲みこんだ……。
この想いにきっと理屈とかそんなものはない。
――“好き”
ただそれだけ。
あたしは千秋に抱きしめられて、体温を感じながらそう思った。