【続】俺様王子と秘密の時間
ムカつきすぎて手にしていた苺ミルクを握り潰してしまいそうだ。
しかも、記事と一緒にあたしが大あくびをしている超マヌケ面の写真が載ってるし!
ぎゃあああ!
血管が切れそう!
てゆーか、こんなことするヤツは一人しかいない。
「コウちゃん?こ、コレいつ出回ったの……!?」
「えーと、確か新学期始まってすぐ水城が……」
新学期って。
まだ一週間も経ってないじゃん。
「この新聞のせいよ。野次馬が、シイのことを見に来てたのは」
そーいえば、あたしが廊下を歩いてる時も“凡人”とか“普通”とか、“たいしたことない”とか。
女の子達が何かを言っているのを聞いたっけ……。
「シイが知ったら可哀想だからって、みんな黙っ……」
苺ミルクをズズーと流しこむ。
それをゴミ箱にポイすると、あたしはコウちゃんの話しを最後まで聞かずにある場所へ向かって全力疾走した。