【続】俺様王子と秘密の時間
千秋は火がついたみたいだった。
キスの嵐を浴びてきつく目を閉じるあたしに何度も何度も触れる。
去年……出会った頃よりも長くなった茶色い髪の毛が首筋を撫でるから、身をよじらしてしまう。
首筋に優しいキスを。
胸元辺りに強いキスを。
そうやって赤い印を刻んでいく。
「ちあ…き……んんっ」
甘い痺れに翻弄されて頭がクラクラする。
そっと目を開けると視線がぶつかって、千秋は挑発的な顔をした。
「兄貴に聞こえるぞ?」
なんて言いながらあたしの髪の毛に指を通す。
恥ずかしすぎて消えちゃいたい。
湯気が出るくらい真っ赤になるあたしに顔を近づけて、鼻と鼻が触れた直後、千秋はニヤリと笑う。
「可愛いすぎてイジメたくなる」
脳髄まで響く低い声。
……ズルいなって、思った。