【続】俺様王子と秘密の時間
「だいたい彼の誕生日は16日だったんじゃないの?」
「ん。それがね……」
あたしは千秋の家に泊まった経緯を全てお姉ちゃんに話した。
「ふーん。なるほどね。結局プレゼント渡せなかったんだ?オマケに誕生日を嘘つかれたなんて」
お姉ちゃんは赤いルージュを塗りながら淡々とした口調で話した。
プレゼントを渡せなかったのは残念だけど、朝まで一緒に過ごせたことがあたしは嬉しかった。
「無断外泊はもうダメよ?ま、良かったわね。彼との熱い夜を過ごせて」
「うっ……」
あの夜の熱がまた沸き上がる。
「でも話を聞いた限り、羽鳥って男の子がちょっと可哀想だわ」
羽鳥のことは気になっていた。
あんな顔をさせてしまったから。
今日、学校へ行ったら羽鳥はいつものようにあたしと接してくれるだろうか……。
「わたしもう行くわよ?アンタも早く出なさいね」