【続】俺様王子と秘密の時間
黒髪で、長髪の男……。
「黒澤拓海です。この土地には最近越してきました。よろしく」
う、う、う、嘘……!?
これは悪夢なの……?
あたしはパニック寸前。
「カッコよくなぁい?」
「んー、でもなんか怖そう……」
あたしの近くの女の子達がヒソヒソと話始める。
あたしは開いた口が塞がらない。
すると黒澤拓海は教室内を見渡して、あたしの方に目をやった。
そしてニヤリと笑ったような気がした。
ゲゲゲッ!
今、目が合ったような。
あたしは机に突っ伏した。
「えー、黒澤の席は……」
と、西山先生が考えている。
その時……。
「シーイ」
ヒッ……!
黒澤拓海があたしを呼んだ。
「なんだ黒澤、知ってるのか?」
「あ。オレ川村さんと仲良いんですよ。バイトが同じだったんで」
な……!
余計なことを言わないでよ!