【続】俺様王子と秘密の時間
「そうか。調度、川村の隣が空いてる。黒澤の席はそこにするか」
ちょっと待ってよ西山先生!
あたしはこんな意味不明なヤツと仲良くなんかないんですっ……!
心の中で叫んでも時既に遅し。
学級委員が机と椅子を運んできて、あたしの隣に黒澤拓海が座る。
「また、会ったな?」
「最悪……」
「んな嫌がるなって」
「嫌だ……」
風船がしぼんだみたいに力が抜けてしまった。
おかしすぎるよ……。
だって黒澤拓海は確か19歳だ。
バイト先で会った時に自分で言ってきたんだもん。
あたしより1つ上の19歳がなんで転校生なわけ?
しかもあたしと同じ学校。
ありえない……。
「だから言ったろ?“また会おうな”って」
「……」
黒澤拓海は放心するあたしの頬をつついた。
そういえばバイト先でそんなことを言われたような。
やっぱり嫌な予感は的中した。