【続】俺様王子と秘密の時間
「シイの話を聞く限り、転校生の黒澤は19歳なんでしょう?」
周りを気にしながらヒソヒソと小声で言ってきた。
窓際に居る黒澤拓海を盗み見すると、耳にイヤホンなんかしちゃってる。
「そうなの!謎だらけだよぉ…」
「ほんと、変な男ね?」
「うん……」
「なんで転校してきたのかしら」
それはあたしにもわかんない。
二人で頭を抱えていても仕方ないし、あんなヤツなんてずっと無視していればいいんだから。
「それよりシイ、羽鳥に無視されたの?」
「あ……うん」
擦りむいたみたいに胸がヒリヒリする。
羽鳥に無視されるのは正直辛い。
「でもシイを避けても仕方ないわね。きっと今はシイの顔を見るのが辛いんじゃないの?」
サンドイッチを頬張るはーちゃんは、さらっと言ってのける。