【続】俺様王子と秘密の時間
部屋に居るよって……。
べ、べべべ別にあたしは千秋の部屋に行こうなんて思ってないし!
それにメールだって着てないし。
いつもは千秋から呼び出しメールが着て、あたしが部屋に行くって形だけど。
いつもいつもそれを待ってばかりじゃ、ダメなのかもしれない。
積極的になれる方ではないけど、遊園地で噴水の中を飛びこんで来てくれて胸がキュンとした……。
あたしから会いに行ったら千秋はビックリするかな?
迷惑、かな……?
考えながら辿り着いた先は千秋の部屋の前で、誰にも見られないように細心の注意をはらったけど。
どうしよ……。
怖じ気づいてしまう。
けれど会いたくて、あたしは千秋の部屋をノックした。
――ガチャッ
「千秋……」
出てきた千秋は一瞬、驚いたけれど、あたしの手首を掴んで自分の頬に寄せる。
「おいで?」
低い声でそう言って部屋の中へ招き入れた。