【続】俺様王子と秘密の時間


自ら千秋の部屋に来てしまった。

あたしったら、なにやってんの?

そもそも千秋にメールで呼ばれたわけでもないっていうのに……。



「おい」

「ヒッ……!」


名前を呼ばれただけなのにビクッと肩が跳ねた。

ガチガチに固まるあたしを見て、千秋は綺麗に敷かれてあるお布団に腰をおろすと、手招きした。



「んなとこに突っ立ってねぇで、こっちこいよ?」


ふわりと口元を緩めて言う千秋だけど、そのせいであたしの緊張の糸がピンッと張り詰めていく。


その微妙な笑みがなんか妖しいような気が……。

あたしは恐る恐るお布団に近づいて千秋と向かい合うように座る。



あれ?

あたし、変に意識してる?



「オレ、夜中って言わなかったか?」

「へっ?」


夜中って、なにが?

ポカーンとしているあたしを横目で見る。

 

< 465 / 658 >

この作品をシェア

pagetop