【続】俺様王子と秘密の時間


月曜日の朝。

寝不足だったあたしは見事に遅刻したのだ。

お姉ちゃんの言葉が頭の中で何度もリピートして、結局まともな考えなんてものは浮かばなかった。



もぉおおおおおおおお!

遅刻するなんて、西山先生のホームルーム始まってるよぉ!

とりあえず今は、学校に行かなくちゃと思い、あたしは全速力で走った。



「お、おはよ!」


教室に滑りこんだ時にはホームルームは終わっていて、一時間目が始まる前の休み時間だった。

ああ、やっぱり手遅れだった。



「シイ、ちょっとアンタ。ひっどい顔してるわよ?」

「うわ。ほんと。クマ酷いよ?」


席についたあたしにはーちゃんとコウちゃんはそう言った。

羽鳥は頬杖をついて窓の外をぼんやりと見ていて、あたしの方には振り返ることはなかった。


はぁ……。

やっぱり酷い顔してるんだ。



「あ。ねぇ?そういえば、黒澤拓海は?」

 

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