【続】俺様王子と秘密の時間
「おはよ」
「ねぇねぇ、シイ?」
「なに?」
「これ、なにかな?」
あたしの机に目をやりながらコウちゃんは聞いてくる。
7月の太陽に照らされるあたしの机の上には小さなピンク色のガラスで出来たビンが置いてあった。
赤いリボンがくるくると巻かれていた可愛らしいソレを手に取り、木製のふたを開ける。
――ポンッ
小気味いい音が響いた。
「これ……」
中には苺ミルクのキャンディが、これでもかってくらいにずっしりと詰まっていた。
包み紙にまで小さな苺が描かれたピンクのキャンディ。
誰がくれたのかもわからないのにまるで宝石箱でも開けたような気分に浸る。
か、可愛い……。
でも誰がこれを?
「わぁお♪誰からかな?」
あたしの隣でコウちゃんが尋ねてくるけど、送り主がわからないから首を振った。